浜松市指定無形民俗文化財 犬居つなん曳
「つなん曳き」は犬居に伝わる民俗行事です。
毎年5月5日に龍勢社にて行います。
洪水にまつわる竜神伝説に基づく信仰です。
この犬居には、洪水により気田川の堤防が決壊寸前になり、諏訪神社の龍が堤防に横たわり町を守ったとの言伝えがあります。(下記「ふるさと春野の伝説」をご覧ください。)
全長40メートルの龍は、柳、竹、ヨシ、レンゲなどで作ります。
河原で作った龍を担ぎ、勢いよく町内を練り歩きます。
初節句の家では宴会が行われ、子供の誕生を祝う「端午の節句」に因む要素を含んでいます。
つなん曳がいつ頃から始まったかは不明です。
過去に1度だけ中止(不明)したことがありますが、その年に犬居の町では疫病が蔓延したため、それ以降は、天候関係なく毎年開催します。
<ご案内>
8:00~13:00 | 龍制作場所にて龍を作ります。 |
17:00 | 熱田神社右宮の諏訪神社を参拝。 |
17:30 | 龍制作場所にて龍勢社総会。 |
18:00 | 龍出発 |
各場所にて宴会 | |
21:00 | 犬居橋より龍を納めます。 ※危険ですので、犬居橋歩道よりご覧ください。 |
ふるさと春野の伝説「堤防をとめた二ひきの竜」
むかし、春野町犬居はよく気田川のこう水で田畑があらされて、村人はとてもこまったそうです。
ある年、やはり大水がでて、犬居のてい防が今にもきれそうになりました。村人はひっ死になってこれを防ぎましたが、水かさはますばかりです。そして、あれくるうどろ水は、今にもてい防をやぶって村の中に流れこみそうです。てい防の土の大きなかたまりは、ものすごい音をたててけずりとられていきます。もはや人の力ではどうすることもできません。
村人は心で神にいのりながら、それでも全力をつくして水を防ぎとめました。と、とつ然黒雲がおこり、風にのって二ひきの竜があらわれて、すでにきれようとするてい防をなんなく防ぎとめてくれました。
こうして、二ひきの竜のおかげで犬居の町は田畑や家を流されずにすみました。それ以来、ここの町では「つなんびき」といって五月五日の日に竜の形を竹でつくり、ねりあるきます。